自信とは違う?今さら聞けない「自己肯定感」について

もっと自己肯定感を高めたい

私って自己肯定感が低いのかも…?

そんなふうに感じたことはありませんか?

SNSや書籍などでもよく見かけるようになったこの言葉。でも実際には、意味が曖昧なまま使っている人も多いかもしれません。

今回は、忙しく働く大人の皆さんに向けて、「自己肯定感とは何か?」をあらためて考えてみたいと思います。今の自分を少しでも肯定的に見られるようになるヒントになれば嬉しいです。


目次

自己肯定感とは、「自分を認める感覚」

自己肯定感とは、「自分には存在する価値がある」と感じられる感覚のことです。

特別な成果を出していなくても、何かを達成していなくても、「自分はこれでいい」と思える状態。つまり、自分の存在そのものを肯定できる心のあり方を指します。

たとえば——

  • ミスをしても「自分はダメだ」ではなく、「次に活かせばいい」と思える
  • 他人と比較せず「自分なりに頑張っている」と思える
  • 誰かに認められなくても「それでも私は大丈夫」と感じられる

このように、他者からの評価や結果に左右されず、自分を受け止める力が、自己肯定感なのです。


自信との違いって?

「自己肯定感=自信」と思っている方も多いかもしれませんが、この2つは少し違います。

自信「何かを達成できる」「うまくやれる」と思える感覚。つまり、“行動の結果”に基づいて湧く感情です。

一方、自己肯定感「結果に関係なく、自分の価値を信じられる」感覚です。

たとえば、資格試験に落ちたとしても、「悔しいけど、よく頑張った」と自分をねぎらえること。プレゼンでうまく話せなくても、「緊張した中でもやり切った」と自分を認められること。

つまり、結果がどうであれ、“自分自身”を大切に扱えるのが、自己肯定感の特徴です。


自己肯定感が低いとどうなる?

自己肯定感が低いと、ささいなことにも強く心が揺れてしまいます。

  • 上司に注意されただけで、自分のすべてを否定されたように感じる
  • SNSを見て他人と比較し、「自分には何もない」と落ち込む
  • 褒められても「そんなことないです」と素直に受け取れない

こうした状態が続くと、自分を必要以上に責めたり、心が疲れてしまったりする原因になります。

ただし、これは「性格の問題」ではありません。

育ってきた環境、過去の経験、周囲との関係などが影響しているケースが多く、誰にでも起こり得ることなのです。


自己肯定感を育てる、日常のヒント

自己肯定感は「一瞬で高まるもの」ではありません。でも、日々の小さな意識の積み重ねで、少しずつ育てていくことができます。

● 小さな「できた」を見逃さない

「早起きできた」「休まず出勤した」「メールを丁寧に返した」など、どんなに些細なことでも、自分をねぎらってあげることが大切です。

他人が評価しないことでも、自分自身が認める。それが自己肯定感の土台になります。

● 失敗したときは、「否定」より「振り返り」を

失敗すると「なんて自分はダメなんだ」と思ってしまいがち。でも、少しだけ立ち止まって、「なぜそうなったのか」「次はどうすればいいか」を考えてみましょう。失敗=価値がない、ではないのです。

● 言葉のクセを見直す

「どうせ」「またダメだった」など、自分に対して使っている言葉に注目してみてください。

言い換え例

「どうせうまくいかない」→「一度やってみてから考えよう」

「またミスした」→「この経験を次に活かそう」

言葉を変えることで、心の反応も変わっていきます。


完璧じゃなくても、大丈夫

自己肯定感を高めようと意識しすぎると、「もっとポジティブにしなきゃ」「ネガティブは悪いことだ」と思ってしまう方もいます。

でも、大切なのは“どんな感情も受け入れること”

落ち込む日や不安な日があって当然です。

そんなときに「それでも大丈夫」と思える力が、まさに自己肯定感なのだと思います。


おわりに:あなたは、そのままでも価値がある

自己肯定感とは、「もっと良い自分にならなきゃ」と努力するためのものではありません。

今の自分を、少しずつでも肯定してあげる。その積み重ねが、自分らしさや心の安定につながっていきます。

誰かに認められなくても、完璧でなくても。

あなたはあなたのままで、大切な存在です。

まずは今日の自分に、やさしく声をかけてあげてくださいね。

「よくやってるよ」「おつかれさま」——それだけでも、きっと心は少し軽くなります。

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